コラム

COLUMN

腸内環境を整えると、ぐっすり眠れる? ― 睡眠と腸の深い関係

2025.07.18

7月13日に放送されたミスターサンデーや女性セブン8月7日号で取材を受けた、腸内細菌や栄養と睡眠について、時間や紙面の都合で割愛されている部分までコラムにしました。

是非参考にしてください。

私たちの体の中には、「腸内細菌」と呼ばれる小さな生き物が100兆個以上もすんでいます。これらは「腸内フローラ」とも呼ばれ、消化を助けたり、病気から体を守ったりするなど、大切な働きをしています。実はこの腸内環境が、睡眠の質にも深く関わっているのです。

まず注目したいのが、「セロトニン」と「メラトニン」というホルモンです。セロトニンは昼間の活動を助ける「目ざめのホルモン」、メラトニンは夜に眠気をつくる「ねむりのホルモン」です。メラトニンは、セロトニンを材料として作られます。

このセロトニンの約90%は腸で作られており、その過程には腸内細菌が深く関わっています。つまり腸内環境が悪いと、セロトニンがうまく作られず、それによってメラトニンも十分に分泌されなくなります。すると夜になっても眠気がこなかったり、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めやすくなったりするのです。

さらに、セロトニンの材料となるのが、食事からとる「トリプトファン」という栄養素です。トリプトファンは肉、魚、乳製品、大豆などに多く含まれていますが、これが正しく働くためには腸内環境が良好であることが必要です。腸が元気であれば、セロトニンが作られやすくなり、その結果、夜に自然と眠くなる体になっていきます。

また、腸は「第2の脳」とも呼ばれるほど多くの神経細胞を持っており、脳と直接つながって情報をやり取りしています。腸の状態が悪いと、不安感やイライラが増えたり、自律神経のバランスが乱れたりして、眠りが浅くなってしまうことがあります。逆に腸が整っていると、リラックスしやすくなり、深い眠りにつながるのです。

人間も動物ですから、「いつ外敵に襲われるかわからない」といった不安や緊張があると、眠りが浅くなるようにできています。腸内環境が乱れてしまうと、体がまるでそんな危険な状況にあるかのように反応し、眠りにくくなるのです。

さらに近年の研究で、腸内細菌が「体内時計」にも影響を与えていることがわかってきました。体内時計とは、私たちの体が1日24時間のリズムに合わせて活動するための仕組みです。朝に自然と目が覚め、夜になると眠くなるのは、この体内時計の働きによるものです。

体内時計の調整でよく知られているのは、「光」の影響です。朝に目に光が入ることで、脳の体内時計がリセットされるのは有名ですが、実は腸内細菌にも独自のリズムがあり、食事の時間や生活のリズムにあわせて活動しています。そしてこの腸のリズムが、全身の体内時計に信号を送り、睡眠のタイミングにも影響を与えているのです。

つまり腸内環境が乱れると、腸のリズムがくずれ、それが脳の体内時計にも悪い影響をおよぼし、「夜眠れない」「朝起きられない」といった状態になりやすくなります。

腸と睡眠は、一見関係がなさそうですが、実はとても深いつながりがあります。ぐっすり眠るためには、腸を元気に保つことも忘れてはいけないのです。

いかがだったでしょうか。

参考になりましたらぜひ試してみて下さい。

LINEのお友達登録もよろしくお願いします。

友だち追加

また、インスタグラムでも「無呼吸症について」や「睡眠改善のための細かいポイント」を発信しているので見てくださいね。

「フォロー」や「いいね」を頂けると更新の励みになりますし、メッセージを頂ければ更新の参考にさせて頂きます。

インスタグラムはこちら

Instagram

睡眠専門医が寝つきを良くするために本気で作ったアロマ

bon sommeil huiles essentielles

も好評発売中です。

こちらもチェックしてね。

初めて受診する方
メディアの方
企業の方