コラム
COLUMN犬や猫には無呼吸はない?
2022.11.03
人間には10%近く無呼吸症の人がいます。では、動物ではどうなのでしょうか。
実は無呼吸がある動物はほとんどいません。それどころかいびきをかく動物すらほとんどいません。それは、なぜなのでしょうか。
人間が他の動物と大きく異なり、生態系のトップになった原因は何だと思いますか。その理由の一つとして、2足歩行になった事が大きな転機と言われています。2足歩行になる事で脳が発達し、両手が空き道具を使えるようになった事で、人間は生態系のトップに立ちました。
その一方で、残念ながら退化してしまったこともあります。2足歩行になる事で喉が狭く、角度が急になりました。また火で調理しナイフで切り分けることで、嚙みちぎるような硬いものを食べなくなり、どんどん顎も小さくなりました。特にその変化は現代でも顕著です。そのため、人間だけが無呼吸を起こす様になったのです。
そもそも野生動物がいびきをかいていたら、外敵に襲われてしまいますものね。だから無呼吸を起こす野生動物は極めて稀なのです。
生態系のトップに立つ代償として出てきた無呼吸症ですが、人間の道具を作る力はそれも克服しました。
1970年代にCPAP治療が開発され、その後改良したことで、副作用なく治療ができ、無呼吸症によるパフォーマンスの低下や合併症を解決できる時代にきています。
いびき・無呼吸がある人にはぜひ受けて欲しい治療です。
お付き合いいただきありがとうございました。LINEのお友達登録もお願いします。
渋谷睡眠・呼吸メディカルクリニック
楠 裕司