コラム

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電車で寄りかかってしまうのはなぜ?

2022.12.02

電車で寄りかかってしまうのはなぜ?

 

サッカー日本代表一次リーグ突破おめでとうございます。

大興奮の試合だったので、朝早くから見ていた方も多いのではないでしょうか。今朝の通勤電車でも寝ている人を多く見かけました。

 

その様子を見て思ったのですが、電車で寝るのは日本人だけと言われています。なぜなのでしょうか。

個人的に思う理由は

・日本は治安がよく、眠っていても盗まれたり襲われたりしない事

・電車通勤で遠くから通う方が多い事

・日本人の平均睡眠時間が足りない事

の3つがあるのではないかと考えております。

 

治安の良さはぜひ守っていきたいですが、平均睡眠時間が短い事は睡眠診療を行っている立場からすると複雑です。啓蒙不足の側面も多いため、もっと情報を伝えていかなくてはいけないと感じています。

 

 

今朝も見かけましたが、電車で隣の人に寄りかかるように寝ている人が居ます。なぜ寄りかかってしまうのか不思議に思ったことはありませんか。

 

睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があります。それぞれの役割や脳内での動きは研究が進んできていますが、簡単に言うとレム睡眠は夢を見ている睡眠、ノンレム睡眠は夢を見ていない睡眠です。夢を見ている時には脳から体を動かす指令が出ていますが、夢の通りに体が動いてしまうと困ってしまう(走る夢を見て実際に走り出したら危ないですよね‼)ので、動かないように筋肉が緩みます。そのために体が支えられず、寄りかかってしまうのです。

 

逆に夢を見ている時に筋肉の抑制がうまくかからない病気もあります。レム睡眠行動障害と言われる病気です。その場合、叫ぶ夢を見て夜中に叫んでしまったり、逃げる夢を見て足をばたつかせてしまったりして気づきます。多くの方は夢の途中で起こした行動で目が覚めるので、夢と行動の因果関係を説明できます。

診断のためには入院検査が必要になりますが、内服で治療できるので心当たりがある方は早めに受診をお勧めします。

 

電車で寄りかかって来ると迷惑と感じてしまいますが、日本代表の勝利で素敵な夢を見ていると思うと少し気持ちが和んだ朝でした。

 

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渋谷睡眠・呼吸メディカルクリニック

楠 裕司

 

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