コラム
COLUMN睡眠と免疫
こんにちは。
看護師長の今井です。
最近気温も上がり、日中外はコートいらずです。
お隣さんの庭の梅も咲いてました。いよいよ春ですね。
新しい生活のスタートです。
でも花粉の影響ですでに諸症状で苦しみ出している方も多いのではないでしょうか。アレルギーのある方には恐ろしい季節ですよね。早めの対策が必要です。
当クリニックの技師長も花粉症で鼻が常時ムズムズしているようで、辛そうです。
対策として一般的なものは、マスク、ゴーグル、内服、塗る薬、サプリメント・・・あたりですかね。しかし残念ながら、これら万全な対策をとっても快適な春の季節を満喫できる人はあまりいません。
「昔は花粉症なんてなかったのに」
「昔はとても快適だったのに」
「大人になってから花粉症ってなるの?」
花粉症に限らず、大人になってからのアレルギー発症はよくあります。その原因の一つに睡眠が関係していることをご存じですか?
花粉症と同様に昔は食べられたけど、今はアレルギーで食べられなくなったものがある方も多いのではないでしょうか?
振りかえってみてください。
今に至るまでの食生活や睡眠状況はどうでしたか?
私は20年近く病院勤めでしたので夜勤業務は当たり前。起きた時間が何時なのかも分からない生活を送った末、体調を崩しました。勤務形態が5パターンもありましたので最悪な生活でした。この最悪な睡眠環境は知らず知らずのうちに、私の体内時計を狂わせ自律神経を崩壊させ、腸内環境を悪化させてしまったのでしょう。
自律神経とは、呼吸、血液循環、消化吸収など、人間の体にとってなくてはならない働きを24時間休みなしでコントロールする神経のことです。行動時や昼間に活発になるアクセルの働きをする「交感神経」、安静時や夜に活発になるブレーキの働きをする「副交感神経」の2種類があり、この2つがバランスよく働くことにより、自律神経は正常に保たれます。自律神経を正常に動かすために特に必要なのが十分な休養、つまり睡眠ですので、これに逆らってきた私の生活は病気になるべくしてなった、としか言いようのない事例です。今振りかえるとあの2年くらい前から風邪も引きやすくなり、偏頭痛も重症化しました。
腸内には全身の免疫細胞の70%以上が存在しており、免疫力を維持するためには重要な役割を果たしています。睡眠時間が減ると腸が満足に動けなくなり、腸内環境が悪化して体の不調を招きます。メラトニンも活発に分泌されなくなるので、さらに睡眠の質が下がるという悪循環に陥ってしまいます。不規則な生活により自律神経が乱れると、悪玉菌が増えます。悪玉菌が増えると腸が正常な働きをすることができず、便秘や下痢を招きます。腸は自律神経のコントロール下にある器官であるため、自律神経が不調なときは、免疫力も低下します。免疫力が低下すれば、アレルゲンに対する抵抗力も低くなっているので、アレルギーが発症しやすくなったり、さまざまな感染症や病気の発症に繋がります。
私が言いたいのは、睡眠不足やストレスを解消しなかったツケは、思いもつかないタイミングでやってきますからぜひ気を付けて頂きたいということ。自分自身の健康を過信してはいけないということ。
みなさんも、「自分は我慢強い方だ」とか「今までいろんな逆境を乗り越えてきたから大丈夫」などと過信するのは危険です。その気のゆるみが取り返しのつかないものになったとき、後悔はないと言えますか?
若いときと比べ体質が変わった、今の生活習慣を変えたい!と思っている方はぜひこの機会に専門医に受診するか、しっかり自分の健康習慣を身に付け、今後の健康寿命を意識してほしいと思います。当院では睡眠衛生指導も行っていますので、お困りの時にはご相談に乗りますので、遠慮なくご連絡ください。
それでは、次回をお楽しみに。